第74回  “美浦トレセン 1992年”

 
美浦トレセン 1992年



この写真は今から二十年ほど前、美浦にあるJRAのトレーニングセンターに取材に行った時のものです。
女房殿がお金を払って買う雑誌は「ねこのきもち」と「週刊新潮」だけですが、僕はもしあったら「リスのきもち」や「ラッコのきもち」も買いたいのです。
ネコだけではなく、犬も馬もウサギや四十雀も、頬ずりしたいほど僕は好きです。見るのも嫌な生き物は、カマキリと民主党の幹事長をしている猿の干物みたいな爺ぃだけです。  

この美浦の厩舎にいた牝馬は、食欲をなくして(こういう状態を関係者は“喰いが細って”と言います)体重が旧に戻らないので、厩務員のオジサンは刻んだリンゴを飼い葉に混ぜて与えていました。  
普通、飼い葉は燕麦に干し草などを混ぜたものなのですが、こうやってリンゴを三個も四個も細かく切っていれてやると、この優しい目をした可愛い牝馬は、その途端に食欲を取り戻したようです。
厩務員のオジサンも初対面の僕もホッとしました。馬はニンジンよりリンゴや角砂糖の方が断然好きなのです。  
普段はいかつい僕の顔も、動物と接する時はこんな風に表情が穏やかになるのが不思議です。