第59回  “ミッドウエー島 ”

 
2001年


ほんの10年前の写真ですから、素人目にはほとんど今の僕と変わりなく見えるでしょう。それが素人の哀しさで、そんな方は公安やマル暴の刑事はおろか、CIAのエージェントや旅館の番頭さんにもなれません。
目を凝らして良く見てください。ほら、アホウドリの雛を見ている僕の顔が艶々して、瞳が穏やかです。髪の毛も別人のように黒々たくさん生えているでしょう。ね。ね。
非人道的なダイエットに加えて、黒木メイサや宮浮おいに恋い焦がれている現在の僕は、肌がカサカサして髪の毛が抜け、目つきが小沢一郎の秘書みたいになっています。
こんなことになってしまったのは、決して手に入らない女優さんとダイエットの所為ばかりじゃありません。コラーゲンとかエコとか食育なんて大嫌いな言葉も、耳から勝手に侵入して僕の繊細な神経を傷つけ、あろうことか髪の毛と、それに美貌まで破壊するのです。

と、そんなことはさておき、JALの乗組だった昭和30年代後半に何度も不時着した北太平洋のミッドウエー島に、ほぼ40年振りに訪れた僕は、特別保護区になって島中にアホウドリが群れていたのに驚きました。(この写真に写っているのは雛ですが、50〜60センチくらいの大きさで、これは雛だと言われてもにわかには信じられません)
アホウドリの親は遠くアリューシャン列島の沖まで毎日飛んで、海面に浮かんだイカや魚を嘴で掬い獲って、雛の待つミッドウエー島に戻るのだと原住民のチャモロ族が教えてくれました。なぜ海面に浮かんだ餌だけなのかと言うと、それは身体を海に浸けてしまうと、アホウドリはテイクオフ(離水)出来ないからなんだそうです。
今日もきっと親鳥は、北太平洋を飛び続けて餌を探しているのでしょう。