第21回 お祝儀のアメアラレ


浅草 1992年



「ねッ!おすぎッ、ピーコッ!  俺、綺麗だろ。妬ましいだろ。  アベナオがこんなに素敵で色っぽかったんだから、もう羨ましくて妬ましくて、不機嫌になっちゃうだろ。  気を落として猫いらずなんか呑むなよ。  俺はこの写真を最後に、おかまから足……じゃなくて、尻を洗ったんだから」  

今から十三年前、浅香光代さんの公演に招かれて、浅草のゴロゴロ会館で花魁の三千歳をやりました。  
勿論、直侍を演じたのは浅香さんですが、僕が演じたと書かなかったのには、ワケがあります。  
僕は踊ったのです。ジルバやチャールストンじゃなくて、見事に日舞を踊ったのです。  
僕が踊ると聞いて日本中から集まったホモ爺いが熱狂して、舞台は祝儀の山でした。

美しい左足の爪先を見てください。  
祝儀に滑らないように気を付けた爪先が、この大成功を覚えているのです。  
本当です。
僕は、嘘と丸髷はユッタことがありません。