第138回 『ウィキリークス』

日本のマスコミは百年も前からだが、9.11以後はアメリカのマスコミまで、権力者の手先になった。
俺は、いつでも本当のことが知りたい。暑い八月になっても日本のマスコミは、若くて心得のない日本テレビの社員が、取材中溺死したとか、23歳の母親が育児放棄で子供を二人死なせたとか、年寄りの不明者問題なんてことばかり、天下の一大事のように報じている。どうせ、いっとき騒いですぐ忘れ去られる。報じなくていいとは言わないが、これはニュースを担当する者の、価値観と教養の問題なのだ。
バレるまで官房機密費を散々懐に入れていた記者クラブの薄汚れた連中は、自民党と一緒に地獄へ堕ちろ。マスコミがバカで卑怯だから、俺はホントのことを知らずにどんどん年を取るんだ。ああ、腹が立って堪らない。
NHKの受信料も朝日新聞の購読料も、ちゃんと女房殿が払っているが、高い金を取って内容が政府広報じゃ、みんな見なくなって当たり前だ。
ペンタゴンや貿易センタービルに、プロペラ小型機をちょっと習ったぐらいの青年が、ジェット旅客機をドンピシャリとブチ当てられると思うか?そんなわけないだろう。
25年も前の御巣鷹山の日航機事故も、運輸省の事故調が出した出鱈目の報告(ありもしなかった急減圧を事故の原因だとする)を、鵜呑みにして、政府と日航の提灯持ちをしたマスコミが俺は許せない。まだ山ほどあるけど、とにかく日本のマスコミは、全く機能していない。

そんなマスコミだから、インターネットの「ウィキリークス」が凄い人気になる。
若い元ハッカーのオーストラリア人が開設した、曝露サイトだ。その曝露情報のターゲットは政府や企業だけでなく、いろいろな方面に羽根を広げている。日本の民主党がやった政権奪取は、革命ではないが、インターネットの普及は間違いなく俺は革命だと思う。
少し前にイラクで市民やジャーナリストをヘリから攻撃して殺害した映像が公開されて、世界中をアッと言わせた。
今度は将校でもない兵隊が9万2千件に及ぶアフガニスタン駐留米軍の機密文書を、アッと言う間にアイスランドまでパソコンで送ってしまった。ふた昔前までは、命掛けで潜入してミノックスかなんかで撮影し、フィルムを握ってスパイが必死に走ったんだ。
「ウィキリークス」に寄せられる情報には、信頼性に問題がある。情報は専門家が検証していると言ったって、そんなことパーフェクトに出来るわけがない。
一体誰がウソとホントを決めるんだ。
いろんな意味でリスキーだ。しかし、権力に管理されている大手メディアが信頼に値するとは、もはや誰も思っちゃいない。だからこういうサイトが出現するんだ。
美しくあるべき女優がダメで、もてなしが上手であるべきホステスが芋で、面白くない芸人ばかりだから、テレビや銀座のクラブが滅びて、ゲイバーが繁盛する。ウィキリークスとマスコミの関係は、まさにゲイバーと銀座のクラブの関係と同じだ。
高い金を払って詰まらなければ、企業の垢抜けない部長クラスと田舎者の役人しか、花の銀座に行かなくなる。ゲイバーはウィキリークスだ。黒木メイサみたいな綺麗なのも、コロッケみたいな可笑しい芸人もゲイバーにはちゃんといる。

こういうものが次々にインターネット上に晒されて、世界中誰でも見られるようになると、世界はどういう方向に進んでいくのか?俺は今、不安半分、ワクワク半分だ。


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