第134回 『ハンバーグからコロッケへ』

余程腹に据え兼ねることがあったのに違いない。そんな勇気は薬にしたくても無いと、俺に思われていた鳩山由紀夫が、最後の最後で大蛮勇を振るって小沢一郎を幹事長の椅子から引きずり下ろした。
この豪腕で知られる小沢一郎は、金を集めて大勢子分や仲間を作るまでは上手いが、それを維持して組織を持続させる能力に欠けるようだ。
子分のオキイシ某や、何度テレビで間抜けた役人面を見ても、苗字さえウロ覚えのタカシマ某を使って鳩山由起夫だけ辞任させて、自分は幹事長に居座るつもりだった小沢一郎は、突然打たれたクロスカウンターを、ヘッドスリップさえ出来ずにモロに喰らった。最近これほど気味のいいことは無い。
技術も勇気もなく、金だけ持っていて練習をしないボクサーが、試合で勝つケースは三毛猫のオスより少ない。おそらくあれは、鳩山由起夫一世一代の大勇気だったのだろう。
俺はボクサーのカウンターパンチにたとえたが、あれは“抱き合い心中”か“無理心中”と言った方が分かり易い。喰らった小沢一郎は不機嫌だが、俺はとても機嫌がよくて、ビールも麦とホップも普段より旨い。

日本のテレビドラマでは、人を殺そうと思ったら、犯人は決まって相手を温泉場の吊り橋か、切り立った断崖絶壁の上におびき出す。
そしてジリジリ追い込んでフイを突いて突き落とすのだ。脚本家はつくづく芸がない。
こんなこと四回に三回は、必死の相手にしがみつかれて、落とし損ねるか一緒に谷底か海の中に落ちる。絶叫した相手がひとりで絵図面通り死んでくれる確率は、いいところで25%だ。
なぜ日本のテレビドラマは、こんな上手くいきそうもない設定ばかり創るのだろう。「こういうのはお約束だから、これでいいの」と開き直って創ってるんだったら、ドラマの視聴率は落ちて当たり前だ。見なきゃいいんだから。
でも鳩山由紀夫はこういうドラマを見て、今回の抱き合い心中を考えたのなら、2時間ドラマも役に立った。
やっと七光りや世襲ではない総理大臣が、七光りの権化みたいな鳩山由紀夫のお陰で出来た。ヤワラや姫井ブッテブッテ、それに横峯某なんかを次々と送り出すあのセンスが、本当に非道すぎて、もう罵る気力もなくしていた。
前々回、「蓮舫チャン危うし」と書いたが、お大臣サマにまでなったのだから、選挙は大丈夫かな。でも目立ち過ぎると、すぐ足を引っ張られるぞ。今頃誰かが一所懸命穴を掘っているのに決まっているんだ。

しかしいつまでこんなことやってんのか。オバカテレビが、この民主党の総理交代を表紙が変わっただけだなんて言うけど、日替わりランチのおかずがハンバーグからコロッケに変わったくらいのことだ。他の煮っ転がしも卵焼きも竹輪もおんなじだ。
それで支持率が10%代から60%代になったと大騒ぎしている国なんか、もう外国からスルーされても当たり前だよ。レベルが哀しくなるほど低い。


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