第128回 『学習院と東宮太夫』

息子が三月三日の雛祭りで、満四十歳になった。父親の俺は不惑と言われるこの歳を、刑務所で苦役に喘ぎながら過ごしたのだから、息子はよっぽど幸せな人生を歩んでいる。
しかし較べたモノが非道すぎるから、幸せに見えるのかも知れない。俺はいつでも公平で、身贔屓や内輪誉めをしないから、ジャーナリストに向いている。チャンスはあったのに、何故ならなかったんだろう。
ここでパソコンの前から向きを変えて、俺はショートホープに火を点ける。もうタマにしか吸わないタバコだが、しかし、なんとこのタバコは旨いんだろう。
女房殿もウニも、もっと軽いのにしろと言うのだが、いろいろ試したけどダメだ。ラークもウィンストンも按摩の目だ。駄目は按摩かモグラの目に決まってる。
なんでも自由に書けるホームページは、俺の楽園だ。酒池肉林の桃源郷だ。差別用語とやらも人の悪口も自由自在で、警察も動物愛護協会もみんな見逃してくれる。見逃してくれるなんて言うのは、俺が自意識過剰だからで、本当は無視されて問題にもされていないのだと知ってらぁ。

俺はいつでも大袈裟に、本当ではないことばかり書いたり叫んだりしているが、実は本当のことだってチャンと知っている。
国会議員やテレビに出ている評論家たちみたいに、知らないことを知ったげに言っているんじゃない。自分のことは勿論、森羅万象、たいていのことは分かって、俺は喋ったり書いたりしている。
それにしても「きっこのブログ」というブログを書いている、きっこさんは、俺がただ脱帽してシンパになるほど凄い!
この方はどんなことも綿密に調べて、自分の知識にしてから、思い切った意見を書いたり、問題を提起する。文章は丁寧で、曖昧ではないから読む人の胸に刺さる。
もう十年も続けているらしいが、俺は最近になって知ったのだ。仕事を持ちながら、よくこれだけのことをやり続けていると舌を巻く。
俺は爺いだけど男で、この方はお嬢さんだ。
歳も違うし勿論、価値観も好みも違うから、俺は信者じゃなくてシンパだ。
俺は毎日「きっこのブログ」を読むのを楽しみにしている。まだ御存知ない爺婆には、御覧になることをお勧めする。
こういう若い人を見付けると、俺は嬉しくて堪らない。俺はオバカテレビに毒されて、日本人は知的好奇心を失ってしまったと決めていたから、きっこさんやその読者たちを知るとホッとして酒が旨い。
自民党と学習院や東宮太夫みたいなのばかりじゃない。こういう方たちがいれば、日本は大丈夫だ。
さ、昨日の晩はサッポロの黒ラベルを呑んだから、今日は始末して“麦とホップ”を呑むべい。


《お知らせ !!》
小学館のコミック誌で連載していた『RAINBOW二舎六房の七人』がアニメになります。詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.ntv.co.jp/rainbow/
 


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