第111回 『毎回、野党に……』

選挙が近づいて来た。七月には都議選があり、秋までには衆院選がある。
前回の衆院選では、日本の有権者が郵政民営化に賛成して、自民党を圧勝させてしまった。日本の有権者は、みんな字が書けて鶴亀算は出来るのに、マスコミのウソとマコトは見分けられずに、手もなく何度でも騙される。
今回は今のままだと、民主党が勝ちそうだが、検察が二〜三人逮捕して、マスコミが大合唱すれば、形勢はコロリと変わる。
小沢一郎はもともと田中角栄の子分だから、西松建設から金を貰っていたのがバレても、俺は驚きも呆れもしない。自民党も民主党も、同じ穴の狢(むじな)なのだ。
日本を支配しているのは官僚、つまり役人共で、それを支えて甘い汁のおこぼれにありついている惨めな連中が、政治家とマスコミ、それに銀行や学者、土建屋なんかだと俺には分かっている。

俺だってデカイ面なんかできない。適当なことばかり書いて、原稿料で凌いでいる。
ホントの厳しいことを、誰も俺に求めていないから…という言い訳をしても、忸怩たる想いは常にある。
勇気があって、しかも頭のいい若いリーダーが出て来てほしい。
そうしないと役人の支配は終わらないし、国民はいつまで経っても奴隷のままだ。
そこそこメシが喰えて、ビールも呑める暮らしだから、奴隷の身の哀しさに日本人は気が付かない。
役人とその取り巻き連中に、金をむしり獲られ、騙し盗られているうちはまだいいが、兵隊にさせられると死んでしまう。

昭和16年に始まった戦争では、200万人の日本人が死んだ。兵隊だけではない。爺婆も幼児も死んだ。
いろんな意見はあるが、俺はこの戦争も日本の支配階級の判断で起こったと考えている。
当時の日本の支配者は、軍部だったと教えられているが、実は今と同じ役人だった。
裁判官や検事が公務員なのと同じで、職業軍人も海軍省や陸軍省の役人だったことを、みんな忘れている。皇室は祭の神輿で、神輿は軽い方が担ぎ易い。

居酒屋で、隣りに坐った爺さんが語っていた凄いことを、以前にも一度書いたが、もう一度書いておく。
「選挙があったら、とりあえず何でもかんでも野党に投票すると決めている。そうしてもし野党が勝てば、間違いなく政治屋と官僚の癒着は、終わりはしないがブレーキは掛かる。与党に勝たせ続けるから、政治屋と役人の癒着は深くなって果てしがない。今度の選挙で民主党に勝たせたら、次もまたどれか野党に俺は投票する。役人と癒着する前にどんどん変えちゃうんだ。ザマミヤガレ!」
俺はナルホドと感心した。勇気も若さもないから、チェ・ゲバラのように、革命は出来ない。
しかし、選挙では必ず野党に投票するという手は、俺にもできる。
都議選と衆院選から、俺はこの手をやる。 


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