第83回 『明けましておめでとうございます』

冴えない貧乏神みたいな福田康夫が総理大臣をやっていれば、景気なんか良くなるわけがない。
おめでとうーなんて型どおりに言いながら、今年一年、どうなるのやらと暗澹とする。
それにしても、毎年同じようなことをボヤくのだが、なぜ俺の好きな“お雑煮”と“きんとん”を、日本人は正月しか食べず、作りもしなきゃ売りもしないんだろう。こんなことは、自民党が決めて公明党が賛成したようなことじゃないだろう。
需要があれば商人は必ず売る筈だが、七草を過ぎると、誰も見向きもしなくなる。お雑煮ときんとんが大好きな俺みたいな日本人は、ただの少数派じゃなく、極がつく、まるでゾロアスター教の信徒か、綺麗好きの中国人みたいな、そんな存在なのかも知れない。
金杯の連複7-8 \1440を俺は一点で当てた。他人に自慢することがない俺の正月だから、ホームページに、大きな字で黒々と書いておく。
流行りの馬単や三連単じゃなくても、ナーンダなんて言ってはいけない。余分な目は買わずに、絞りに絞った7-8一点で仕留めたんだ。100円が14.4倍になったんだ。嬉しくて当たり前だろう。
実は去年の秋から思い立って、“究極の全自動儲かる馬券術”を、俺は実験している。 
この術は昭和48年に完成して、昭和56年と57年の二年間、俺はこれで糊口を凌いだ。作家になってから文章を書くのが忙しくて、放っておいたのだが、暇になったので、今でもまだ通用するか、一年がかりで実験しているところなのだ。
金杯を一点で取ったのは、その実験の一環だった。伊達に三十年バクチ打ちをしていたのではない。公称25パーセントのテラ銭の壁を越えて、自動的に、確実に利益を上げる夢の馬券術を、俺は女房殿とウニに残そうと思っている。
 
今年も沢山お年賀状をいただいたのが嬉しい。今や引き籠もり爺いと化した俺を、こんなに大勢の方が忘れないでいてくれたのが、嬉しくて堪らない。
元TBSの渡辺真理さんは、可愛いクリスマスカードを送ってくれた。白戸ゆかさんは、女子プロゴルファーの中で、一番綺麗でチャーミングな方だ。日本一綺麗なメリーウイドウの本間浩子さんも、達筆の年賀状をくださる。俺の小学生みたいな字じゃ、恥ずかしくて御返事が差し上げられないほどだ。
大田繁治というのは片目のシゲで、アキオとシゲの二人が、俺の子分の生き残りだ。他はみんな肝不全やら肝臓癌で、死んでしまった。ヒロポンとチクロパンをチャンポンにやった連中は、みんな六十までにあの世へ行く。
色の道でもドラッグでも、チャンポンは身体に悪いようだ。どちらか一つに決めていれば、俺みたいに七十過ぎた引き籠もりでも、何とか生きていられる。
元旦からずっと、俺は300枚近い年賀状書きに追われていて、荻窪の鳥もとに呑みに行く暇もない。
あんなに好きだ好きだと言い続けているのに、滝クリからも蒼井優からも、年賀状は来ない。「今日こそ来る」と、毎朝郵便受けに念力を籠めるのだが、ソニンからも上戸彩からも来ない。これは、郵政民営化した小泉純一郎の所為かも知れない。
ウニは俺に、「一緒に遊んだことも、餌を食べたこともないのに、年賀状が来るわけないじゃないか」なんて、ウチの猫にあるまじき常識を言う。
ウチの一家にゲソを付けて、まだ一年半だから、家風になじんでいないのだろう。

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