第65回 『さぁ、今年は選挙だ!』

俺は昔から選挙が大好きだ。
国政選挙ばかりじゃなくて、八ヶ岳の村長選挙から杉並区の区会議員選挙まで、俺は異常にエキサイトする。候補者に親しい奴がいるわけじゃないから、とりあえず弱いとされていたほうが、奇跡の逆転勝利なんてことになると、俺はメチャ、ビールが旨い。
国政選挙で元大臣みたいな名前や顔を知っている爺いが落選すると、俺はとにかく嬉しくて堪らない。それが爺いじゃなくて婆ぁだと、ほとんど気絶するぐらい嬉しい。
「作家は本来、反権力だ」なんて、俺はいつも言っているのだが、このホームページではなんでも正直に書くと決めている。
実は、俺は反権力なんかじゃない。威張り腐ってふんぞり返っている奴が嫌いなだけで、反権力なんて格好いいもんじゃないんだ。知的でもなければ、正義でもない。
尊大で傲慢な奴が何かの拍子にコケルと、それが嬉しくて堪らないだけのことで、せいぜいアマノジャクか意地悪爺さんみたいなもんだと自分でよく知っている。
俺は付き合いがあれば、誰でも好きになって味方するんだ。そんな機会が無かったからいいが、もし片山さつきや小池百合子、それに野田聖子とか伊吹文部大臣みたいな連中に、バーか小料理屋で会わなくて良かったと思っている。
何処かで会って一度口を利いてしまうと、大嫌いな奴でも、何かしら縁を感じてしまうのが俺の弱味だ。
余りに節操がないと、恥ずかしく思うのだが、こればっかりはどうにもならない。「会ったが最後、皆仲間」というのは、あまりにもポリシーがなくて、知的レベルが低過ぎるんだ。
つくづく金正日とこれまで一面識もなかったのが、幸運だったと俺は思っている。
公明党には付き合いが全くないが、俺が嫌いな自民党には、実は仲良しが大勢いた。
みんな悪い奴だったから先にあの世に行ってしまったが、金丸信や天野コウセイは麻雀仲間で、橋本龍太郎は友達だった。
仲間のお弔いに来ていた平沼赳夫にも、挨拶したことがある。この人には「日本怪死人列伝」の取材でも、電話だったがとても親切にしてもらって、俺は感謝している。脳梗塞で入院したと聞いて俺は心配しているのだが、青くなったのは片山虎之助だろう。
この岡山が選挙区の参議院議員は、平沼赳夫が救けてくれなければ、七月にある参院選が危ない。 
猿は木から落ちてもエテ公は変わらないが、片山は選挙で落ちると、タダの顔の下半分がむくんでいるオッサンだ。
まだ選挙まで半年以上あるけど、俺は、嫌いなこの片山某が、慌てて狼狽え、怯えて青くなっただけで嬉しくて堪らない。あと半年、何処かで片山某と出喰わして、口を利いたり一杯やらなければ、嬉しくなりっぱなしなんだ。
俺が引き籠もり爺いになったのは、大嫌いな奴に出喰わして、知り合いになったりしたくないということがある。
自分の短所は他人に教えてもらわなくても、この六十九年七ヶ月で、イヤというほど知っているんだ。
それにこれ以上、仲間も友達も知り合いも、増えなくていい。
選挙はTBSのボクシングより、ずっとエキサイティングだぜ。

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