第33回 『みんな俺の毒気に当たったのか??』


3月24日
「アサヒ芸能」が3000号記念で、以前対談を連載していたジェームス三木さんと俺、それに現在連載中のテリー伊藤さんで鼎談をしろと言うので、全日空ホテルに行った。
俺が「ブルドッグファイト」というタイトルで対談の連載をやったのは、確か1987年だったから、早いものでもう十九年、ほとんどふた昔も前になる。
その後タイトルを「会ったが最後みな仲間」と変えて、五年近くやった。
アサヒ芸能は週刊誌だから、俺は毎週いろんな方にお目にかかって二時間も三時間も対談をしたんだ。
お目にかかって楽しかった方、嬉しかった方がほとんどだが、中には詰まらない奴や、どうしても好きになれない嫌な奴も居たと、徳間書店が作ってくれたぶ厚いアルバムを見て、俺は懐かしく思い出す。
アルバムをめくって、ハッとするほど美しいのは、大沢逸美さんや岡田奈々さん。
可愛いのは工藤夕貴ちゃんと阿川佐和子さん。
色っぽいのは池波志乃さんと石田えりさん。
かと思えばおすぎとピーコが、俺の両側から抱きついてほとんどレイプしようとしている写 真もある。

皆さん、どうしてらっしゃるんだろう。
どの写真も、当たり前だが皆、若い。 野茂英雄はその頃ルーキーだった。
鈴木達也さん、武智鉄二さん、深作欣ニさん、松尾和子さん、小森和子さん、芹沢博文さん、影山民夫さん、山本夏彦さん、五社英雄さん、川谷拓三さん、胡桃沢耕史さん、海老一染太郎さん、山際淳司さん、料治直矢さん、大杉勝男さん、笹沢左保さん、上月晃さん、阿佐田哲也さん、野村秋介さん、逸見政孝さん、土井勝さん、ジョージ川口さん、黒田清さん、ハナ肇さん、内海好江さん、戸川幸夫さん、田中小実昌さん、大山康晴さん、新井将敬さん、俊藤浩滋さん、そして青田昇さんはお亡くなりになった。
この方たちには、書けばそれぞれ四百字詰めで五十枚では足りないほど、いろんな思い出が俺にはある。
皆、俺の毒気に当たってお亡くなりになったのか。

鉄道の旅番組をスタートするので来い、と言うので、上着をちゃんと着てNHKに出かけて行く。
「安部譲二はまだ生きているの?」なんて言われないためには、時々NHKに出なければいけない。
若い俳優が鹿児島県の枕崎から汽車に乗って、日本中を何十日もかけて旅をするのだが、こんな番組はNHKでなきゃ出来ない。
先日椎名誠さんが南米のラプラタ川の水源を求めて、旅をする番組を民放で見たが、スタッフがろくにロケハンもしないで撮ったので、なんとも言えずチャチだった。
こういう経費のかかる番組を作るためにNHKはあるのだから、ホリエモンは乗っ取ってはいけない。
三十二歳のハンサムボーイ関口知宏さんが、西田佐知子さんの息子だと聞いて、俺は仰天する。
昭和四十二年に、松竹映画「複雑な彼」の主題歌を唱ってくれたのが、綺麗で素敵な西田佐知子さんだ。
それから結婚して生まれた息子さんが三十二歳なんだから、これは嘘みたいだけど、証拠が目の前に居るんだからしょうがない。
俺もハゲたけど、西田佐知子さんもかなりな婆様におなりになったのだと思う。
年月は、それこそ光速ロケットのように、すっ飛ぶんだ。
俺も、間も無く六十八になる。
 


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