NEWS




京都には肉屋はねぇらしい……という話2003/11/08(Sat) 00:00
 
“四十年も前の俺がまだウント若い頃のことだ”と、話はじめたのは豚の角煮を突付いて酒を呑んでた木造アパートの家主の爺さん。
脂っこいものを喰べないと身体の脂気が抜けて、毛穴から湯でも雨でもみんな染み込んで、血が薄くなって死んでしまうというのが持論だ。
“この歳になるまでに、俺は二人も風呂の中で仏様になった奴を見た。
京都の女には気を付けなきゃ寿命を縮める。
小松菜のおひたしを喰わせた京女に、頼むからもっと精のつく脂っこいものを……と、お願いしたら、翌日の夕飯には、小松菜に油揚げの刻んだ煮付けが出たのさ”
 なんて言ったのだが、勿論、証拠もなければ証人も居ない。





女バーテンダーは行かず後家2003/10/20(Mon) 00:00
 
アル中の母親は、末の娘が三十も半ばを過ぎても嫁にやらない。
金は腐るほどアル家だから、持参金は何億でも包めるのに、娘が "行かず後家" になりそうなのは何故か?
「それはね……」と、区役所のオッサンが、声を潜めて言ったのだ。
「それはね。そんな大層なお宅だから、使用人なんかに水割りや肴を用意させると、すぐ奥様がアル中だって世間にバレちまう。
あの器量のあんまり良くない末の娘が、ほんの中学一年の頃から、酔っ払うとグラスを落として割ったりする、ホラ、俺っちだって酔うとそうなんだろ。
だから、あの器量はあまり良くないけど、心の優しい娘は、皆が寝静まった夜中に、母親のバーテンをやってるんだ」
娘を嫁にやったら酒をやめるしかないのだと、酒呑みには頷ける話を小声でしたのだが、肝腎なお屋敷の名前を俺は聞きそびれた。





[直接移動] [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26]
000000

- Joyful Note -