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電車の不思議2005/07/03(Sun) 00:00
 
「聞いてくれ。どうにも不思議で納得がいかねえし、疲れ果てた」
と、話はじめたのは、町内の畳屋の大隠居。
「千葉の醤油で有名な野田で、親戚の祝い事があるってんで、暑い中を一張羅を着込んで出掛けて行った。
まず中央線で新宿に行って、山の手線に乗り換えて上野に出る。そして上野から柏まで常磐線。そこで東武電車で野田に行ったんだが、不思議なことに東武電車は野田の二つ手前の運河って駅で止まって、俺が坐っている間に、なんと来た柏の方に戻ってしまう。その間、中央線の荻窪からずっと、煙草も吸えなきゃビールも呑むめねえ。俺はもう死んでしまうと思った」
東武電車の車掌は妙な含み声で放送するから、何をモソモソ言ってるのか、耳を澄まして聞いてても何のことだか一つも聞き取れない。それでも必死に野田に辿り着いて、祝い事も無事に目出度く終わって、また同じ電車を乗り継いで帰ってきたんだが、なぜ東武電車は他の私鉄みたいに相互乗り入れにしないのだと呟いて、温厚な畳屋の大隠居は溜息をつく。
「そんな電車は誰も乗っ取らないから、何時までたっても変わらないよ」
と、救いのないことをいったのは、最近来始めた爺さん。





杉並のガマ蛙2005/06/30(Thu) 00:00
 
真っ赤な顔で蛸八に入って来たのは、来年、米寿の祝いだという元区会議長。
「驚いた。家のタタミ一畳ほどの庭に、大きなガマ蛙がいた」
初めて気が付いたのだと、興奮してどもりながら、ほとんど叫ぶ。
「何処からやって来たんだろう。近くに池も沼も水溜りもないのに、オタマジャクシから蛙になって俺の庭へ来たんだ。何を喰ってるんだ。牡か雌か知らないが、つれあいに上手く出くわすとも思えない」
誰か蛙のことを知る者はいないかと、一気に叫び立てる。
自分は世界史が専門の社会科の教師だったから、蛙の食生活と性生活までは知らないと言ったのは、元中学の教頭。
「台湾では蛙のことを田鶏って書くよ。腿の肉はニワトリみたいに旨いんだ」
嬉しそうに言ったのは、蛸八主人。
もう自分の家の庭に棲むガマに情が移っている爺様は、それを聞いて凶悪な顔になる。





曖昧なことしか言わない奴2005/06/25(Sat) 00:00
 
「下手クソもいるだろう。バカな選手もいるだろうよ。なんで曖昧なことばかり言うんだ」
 突然、怒り出した質屋の隠居に、驚いた常連の爺さんたち。
「ナイター中継に俺は腹を立てている。アナウンサーも解説者も、下手は下手、バカは馬鹿って、なぜはっきり言わないんだ」
 なるほど、そうだ、と大きく頷く常連の爺さんたちに、
「この町内の旦那は変わってるのさ。普通の日本人は、下手クソだとか馬鹿タレなんて、他人のことでも聞くのが嫌なの。もし自分が言われたら……と思うからさ」
 と、よく聞かなければ分からないことを言ったのは、蛸八主人。





タダでも、もうウンザリだ。2005/06/15(Wed) 00:00
 
「ホリエモンの次はジーコで、それに飽きたテレビは朝から晩まで貴乃花だ」
 正直言って、もうあの面は見たくないと言ったのは、畳屋の隠居。
「遺産も遺骨も親方株も、そんなもんは内輪のことだ」
 他人には関係のないことだと、珍しくまともなことを言った蛸八主人。
「いや、関係があるのは、死んだ親方の離婚した女房と寝てた若い医者かもしれない」
 と、考え深そうな顔で呟いたのは、元朝日新聞政治部記者。
「死んだなんて言っちゃいけない。亡くなったと言いなさいよ」
 重々しくたしなめたのは、元区立小学校社会科教師。





HELP!大首領様!2005/06/06(Mon) 00:00
 
「テヘランでやったイラン対北朝鮮の試合で、北朝鮮の監督がサウジアラビア人の審判に退場させられたんだが、毎度のことだがNHKのアナウンサーと解説者は、俺の知りたいことを何も言わない」
 珍しくサッカーのことを話題にしたのは、畳屋の隠居。
「暴言を咎められたと、ちゃんと言ってる」
 横柄に決め付けたのは、皆に嫌われている元朝日新聞政治部の爺い。
「おかしいな。朝鮮語で何を言ったって審判にも誰にも分からないはずじゃないか」
 盃を置いて漫画原作者の爺いが喚くと、「なるほど、そうだな」と、首を捻る常連たち。
「北朝鮮の監督の隣に居たアラビア人の通訳が、同時通訳で《お前の母ちゃん出臍》って怒鳴ったんだ」
 叫んだのは、何時でも変なことを言う蛸八主人。
「オマエノカアチャン、デベソ!」と呟いた常連の爺いたち。





サブマリン2005/06/01(Wed) 00:00
 
「ロッテは強い」
「ロッテの渡辺俊は、久し振りの下手投げだ」
「下手投げのことをサブマリンって言うのを思い出したぜ」
 常連の爺様が弾んだ声で喋っていると、
「サブなんとかって、またあのホリエモンの一味か?」
 と、変なことを口走ったのは蛸八主人。
「バカ。ロッテの渡辺は下手投げで、ホリエモンはただの下司下郎だ」
 漢字が似ているだけだと叱ったのは、畳屋の隠居。





引越しの災厄2005/05/19(Thu) 00:00
 
朝青龍と田中真紀子、それに田原総一郎だけは、この町内に越してきてもらいたくない、と言ったのは普段は無口な質屋の隠居。
「美姫チャンは、アメリカへ引越しちゃった」
 と、見当違いなことを喚いたのは、直した前歯が見せたくて堪らない蛸八主人。





カラオケ2005/05/13(Fri) 00:00
 
「他にいいところは一つも無いが、蛸八にはカラオケが無いのが気に言ってる」
「噺のタネがない奴に限って、唄いたがるんだ」
  と、話していたのは、元所轄の鑑識課とアパートの家主。
「そうだ。知的レベルが低下したから、話題が無いんだ」
 話に割り込んだのは、常連に嫌われている自称ジャーナリスト。
「違う。話題が無いんじゃない」
 皆、他人の話なんか聞いちゃいないし、それが分かっているから自分も話さず、ヤケクソになって下手な歌を飽きずに唄うんだといったのは、何時でも真理を語る蛸八主人。





怪しい!2005/05/02(Mon) 00:00
 
NPOとNGO、それに公共広告機構というのは、得体が知れず、どうにも怪しくて堪らないというのが、蛸八の常連の共通した認識。




事故調査委員会2005/04/28(Thu) 00:00
 
「なんでテレビのバカ共は、事故調ジコチョーって、有難がるんだ」
 奴等に事故の原因なんか分かるものかと喚いたのは、役人が大嫌いなアパートの家主。
「御巣鷹山の日航機事故でもジコチョーは、本当のことは言わなかった。今度の事故でもJRが困ることなんか握り潰すに決まってらぁ」
 泥棒の親方に刑事を頼んだようなことだと言ったのは、元赤ヘルの爺さん。
「えッ。次郎長が、なんで電車を調べてんのさ……」
 と、頓狂な声を張り上げたのは、御存知、蛸八主人。





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